当会では、月例会として、生と死をめぐるテーマで大学の先生方や医師、またNPO等で実践している方々の講演会、喪失体験者による体験発表、日常から死について語る活動のデス・カフェなどを行っています。(8月、12月はありません)

※令和3年度はウェブ会議アプリzoomによるオンラインで開催いたします。

令和3年1月23日(土) 『コロナ禍の死とお葬式』~新たな葬儀のカタチと死の受け止め方~ 

            メモリアルグループ代表・当会理事 

            中村 俊之 氏

    2月27日(土) 通常社員総会

    3月27日(土)『これからはグリーフケアの時代』

            仙台市立病院診療部精神科医長・NPO法人仙台グリーフケア研究会理事長 ・NPO法人子ど

            もグリーフサポートステーション理事長

            滑川明男氏

    4月24日(土)『震災から10年、変わった事と変わらなかった事』

            一般社団法人石巻グリーフサポート代表理事 ・精神保健福祉士・メンタルケア心理士                                     

            木村直隆氏

    5月22日(土) 『犠牲と弔いの10年史:宮城県南三陸町を事例に』

             麗澤大学国際学部准教授

             内尾太一氏

    7月24日(土) 『ALS恐るるに足らず 〜歯科医の語るALSな暮らし〜』

            広島市歯科医師会広報部副委員長

            日本ALS協会広島県支部支部長

            三保浩一郎氏

    9月25日(土) オンライン「デス・カフェ」

           『安楽死・尊厳死をとおして自らの死について考えてみよう』

    10月23日(土)『 がんと共に歩む人々へ~相談支援の新しい形~ 』             

            ㈱ケアーズ 白十字訪問看護ステーション統括所長

            暮らしの保健室室長

            NPO白十字在宅ボランテイアの会理事長

            認定NPO maggie’s tokyo共同代表・センター長

            秋山正子氏

    11月27日(土) メモリアルサービス 追悼音楽礼拝

2021年 11月27日(土)14:00~17:00 会場:(公財)モラロジー道億教育財団 キャンパスプラザ会員会館

メモリアルサービス(追悼音楽礼拝)    

 メモリアルサービスとは『亡くなられたご家族や親しかった人々を想い起こし追悼祈念する会』です。

当日は広池学園の紅葉の雰囲気を味わいながら会員や会員でない方24名の方々にお集まりいただきました。

「大切な人を亡くして」では女性お二人のお話をいただき、その後はグリーフケア従事者認定証贈呈式。今回は1名の方が認定されました。

今回の追悼の音楽は「タゴール、祈りの歌」と題して、「タゴールの樹主宰 奥田由香 氏」に楽器タンプーラの演奏と祈りの歌を頂戴いたしました。

※タゴールソングとは(プログラムより)

インド、ベンガル詩人ラビンドラナート・タゴール(186-1941)が作詞・作曲したオリジナル楽曲。インド古典音楽、民族音楽、そして西洋音楽からもエッセンスを取り入れ、独自の新しい世界を紡いだタゴールソングは、ベンガルの人々に愛され、心の支えであり続けています。歌に込めた祈り、平和への願い、自然と調和に根底を根ざした精神は時空を超えて、普遍なる愛と真実の旋律で語りかけます。


タンプーラの奏でる音と奥田さんの声からは、何かあちらの世界とこちらの世界とを行き来している感覚になり、亡くなられた大切な人と同じ時間を共有できたような不思議な気持ちになりました。

2021年 3月27日(土)14:00~16:00 zoomによるオンライン例会

3月例会 講演会 

テーマ『これからはグリーフケアの時代』

講師 滑川明男氏

(仙台市立病院診療部精神科医長・NPO法人仙台グリーフケア研究会理事長 ・NPO法人子どもグリーフサポートステーション理事長)

東日本大震災から10年を迎えてシリーズ①。「グリーフ」についての基本的な考え方とその向き合い方、また東日本大震災からは津波の圧倒的な力にこの世の”無”の意味を実感したこと、原発事故は「科学の未熟さ」で人間の叡智ではないことお話いただきました。最後に、幸せに生きるには、幸せを見つけるためにはグリーフに向き合うことが必要だと締められました。その質疑応答や、オフ会も活発に行われました。

2021年 1月23日(土)14:00~16:00 zoomによるオンライン例会

1月例会 講演会 

テーマ「コロナ禍の死とお葬式〜新たな葬儀のカタチと死の受け止め方〜

講師 中村俊之氏(メモリアルグループ代表、当会理事)

今年最初の月例講演会はzoomによるリモートで開催され、40名近くの方の参加がありました。

このコロナが蔓延したことで葬儀に対する考え方や形が大きく変わってきたこと、コロナで亡くなった場合の対応や遺族のこと、これからの死や葬儀に対して、何が大切なことなのかをお話していただきました。質疑応答も活発に行われました。

本1月例会の講演会の録画を動画配信サービス「YouTube」にて下記により視聴できるようにいたしますので、ご希望の方は事務局までメールでお申込みいただきますようお願い申し上げます。

 お申込みをいただきましたら、YouTubeのURLをメールにて返信いたしますので、指定の日時の期間内に、URLをクリックしご視聴ください。

                   記

日 時:2021年2月27日(土)0時~2月28日(日)24時の48時間

申込み:①お名前、②会員の有無、を記載して、事務局メールmitsui@grief-care.comまでお申込みください。YouTubeのURLを返信いたします

料 金:無料(会員でない方は500円です。お申込みの際に振込口座をお知らせいたします)


2020年 11月28日(土)14:00~17:00 会場:(財)モラロジー研究所 キャンパスプラザ会員会館

メモリアルサービス(追悼音楽礼拝)    

 メモリアルサービスとは『亡くなられたご家族や親しかった人々を想い起こし追悼祈念する会』です。

今年度はコロナ禍の中、会場にも協力いただき、3密を避けての開催となりました。この日は秋の心地よい日差しの雰囲気で、会員・音楽演奏者の約20名の方々にお集まりいただきました。

当日は水野先生からお話をいただく予定でしたが、家で怪我をされたため水野先生のお話は急遽中止をせざるを得なくなりました。代わりに、昨年の会場のマザアス南柏で、スタート前にチャペルで上映した短編アニメーション「象の背中」を流しました。

プログラム
1.追悼者の呼名及び礼拝
2. ごあいさつ
3. 大切な人を亡くして
4. グリーフケア従事者認定証贈呈
5. 追悼の音楽

1) 追悼者の呼名及び礼拝

 皆様からお寄せいただいた追悼者のお名前を読み上げ、全員で黙祷をいたしました。また9月に亡くなられた当会名誉顧問であるアルフォンス・デーケン先生も写真を掲示し合わせて追悼いたしました。

2) 竹内理事長からのご挨拶

3) 大切な人を亡くして

亡くなられた奥様への思いや、悩み苦しまれたこと、グリーフという言葉に出会ってからの心の軌跡をお話いただきました。

4)「象の背中」上映

4) グリーフケア従事者認定者への認定書授与

竹内理事長から、グリーフケア従事者認定者に認定書が授与されました。今年度は1名の方が認定書を授与されました。来年は、さらに多くの方が認定されることを期待します。

5) 追悼の音楽  

「聖路加で出会った仲間達」による追悼の音楽が行われました。

2020年 9月26日(土)14:00~16:00 オンライン

9月例会 座談会

テーマ「家で死ぬということ〜悲しみが増えるということ〜」

対談者 水野治太郎氏(当会名誉会長、麗澤大学名誉教授)

    島村善行(当会顧問、医療法人社団洗心苑島村トータルクリニック理事長)

    水野治久(水野治太郎氏長男、大阪教育大学教授)

    花岡直子(テルウェル東日本柏ケアプランセンタ ケアマネジャー)

    小暮幸枝(訪問看護ステーションえがお 看護師)

コロナ禍で会員が一同に集まって例会をすることができなくなりましたが、zoomの勉強会を経て、50人近くも集まり、多少トラブルはありましたが、久しぶりの例会を開催することができました。(※初めてのオンライン例会で、開催については原則会員としておりましたので、広く公開しておりませんでした。ご了承ください。)

水野先生の奥様、淳子様が在宅にて5月に亡くなられました。6ヶ月にわたる入院と4ヶ月の在宅での看取りを経験された水野先生の奥様への思いや子供たちの母への思いを語っていただきました。また在宅における医師、ケアマネジャー、介護、看護の役割などや、在宅で看取りをすること、つまり「死」のテーマをどう取り扱うか、どう取り扱っているかも、そして今後現れくる課題やその対応についても対談者から語られました。

病気で倒れる直前に奥様が水野先生の傍によってきて話した「私の人生は幸せでした。あなたのおかげです」と、後になって考えればお別れのメッセージとなったこと、「たまに家に帰ってきているように感じていて、それは家がミシミシいっているから。古い家でもありますが」とユーモアを交えて、また治久さんからは「これまで以上に母の存在を感じている」と語られたことが印象的でした。

終わりの方には在宅の良さと限界を、でも水野先生にとっては在宅で看取ることは最高でしたとおっしゃっていました。

2019年 11月23日(土)14:00~17:00 会場: マザアス南柏

メモリアルサービス(追悼音楽礼拝)    

 メモリアルサービスとは『亡くなられたご家族や親しかった人々を想い起こし追悼祈念する会』です。

 今年度は、初めての会場となるマザアス南柏にて行われました。この日は朝からの冷たい雨の中、会員・非会員、音楽演奏者、そしてマザアス南柏スタッフの総勢50名の方々にお集まりいただきました。

 また、マザアス南柏の建物内にあるチャペルにて、旅立つ人の視点と、遺された人の視点で描かれた「象の背中」という8分間のアニメーションムービーも上映されました。

プログラム
1.追悼者の呼名及び礼拝
2. ごあいさつ
3. 大切な人を亡くして
4. グリーフケア従事者認定証贈呈
5. 追悼の音楽

1) 追悼者の呼名及び礼拝

 皆様からお寄せいただいた追悼者のお名前を読み上げ、全員で黙とうをいたしました。

2) 水野理事長からのご挨拶
3) 大切な人を亡くして…マザアス南柏スタッフ2名様による発表

A様…マザアス南柏で介護職をされていらっしゃいます。お母様を8歳の頃に突然亡くし、その後は生と死について考えることも多く、現在の介護職に就かれました。3年ほど前に、お父様を亡くされました。お父様は気丈な方で、全てを自分で決断するという生き方を最後まで貫かれて旅立たれました。Aさんのお父様の介護や看取りの経験を役立てることのできる現在の仕事をこれからも頑張っていきたいとおっしゃっていました。

B様…マザアス南柏でケアマネジャーをされていらっしゃいます。この8月にお母様を見送られ、まだ日も浅いけれど大きな喪失とならずに過ごせているのは、お母様が闘病されていた10年もの間、いつか来るお別れの日を何度も頭の中で想像し、気持ちの上で準備をする期間があったおかげだと感じているそうです。Bさんご自身はお1人で生活しているため、自分の時間の大半は仕事を中心に回っているのだけれど、そのことがとても大きな意味を持ち、自分の経験が誰かの役に立つ今のケアマネジャーとしての仕事を頑張りたいとおっしゃっていました。

4) グリーフケア従事者認定者への認定書授与

竹内副理事長から、グリーフケア従事者認定者に認定書が授与されました。今年度は、2名の方が認定書を授与しました。来年は、さらに多くの方が認定されることを期待します。

5) 追悼の音楽  

「聖路加で出会った仲間達」による追悼の音楽が行われました。

本当に素晴らしい歌声と演奏をありがとうございました。

亡き人達への思いが、深いところにある悲しみが、音楽の調べや歌声の中で、参加者の心を癒やしてくれました。

最後に会場を提供いただいたマザアスの吉田社長にごあいさつをいただき、2019年度のメモリアルサービスは終了いたしました。

2019年9月21日(土)14:00~16:00 会場: 麗澤大学2504教室

9月例会 体験発表及びデス・カフェ

「ボランティアに向き合って」

 今月は、当会の「患者を支える会」でボランティア活動を実践している3名の方の体験発表です。

A.Kさん (当会会員 活動歴3年、現在島村クリニック、旭リハビリテーション病院、我孫子聖仁会病院でボランティア活動)

「私がなぜこのボランティアを始めたか」に関して介護の体験からアロマトリートメントの出会いを語られました。(内容省略)

S.Tさん (当会会員、活動歴5年、現在柏市立病院、旭リハビリテーション病院、マザアスケアセンター在宅ホスピス南柏で活動)

 スライドを用いて最初に「患者を支える会」の活動を貫く3つの基本姿勢を紹介、常に患者さんに寄り添うことを通してこの3つの基本姿勢を実践されています。続いて緩和ケアとは、がんや難病を含め、「治らない病気」の患者のQOLを高めるための全人的なケアであると説明。

次に活動している施設の一つ、今年の4月から開始した住宅型有料施設「マザアスケアセンター在宅ホスピス南柏」を紹介。現在月に2回行っている。活動を通じて気づいたことして「触れるケア」の大切さをALSの患者さんから教えて頂いたこと、また、ホスピス病棟での活動から、シシリー・ソンダースさんの言葉を挙げ「よい死」に向けてのケアというよりは「よい生」を支えるためのケアであると説明。

「私たちの活動が患者さんの笑顔に繋がれば嬉しい」とその語り口に熱意を感じました。

A.Sさん (当会会員、活動歴3年、柏市立病院、我孫子聖仁会病院で活動)

我孫子聖仁会病院のボランティア活動について話されました。きっかけは「ホスピスボランティア講座」の講師である野本先生との出会いから始まったこと、今年で3年目、月3回活動しているが、メンバーそれぞれ患者様から感じるものがあり、それを大切にしていること。チームミーティングで共通意識を持ち常に学んでいることなどを話され、真摯な姿勢で活動されている様子が伺えました。

続いてエピソードを二つ紹介し、患者様の最期の貴重な時間を共に過ごさせて頂く中で、ご家族の気持ちは「希望」と「あなたが大切」という思いであふれていること。安心して活動できるのは、病院の先生、スタッフの理解が大きい、この恵まれた環境で今後も前向きに取り組んでいきたいという思いを述べられました。

3人の発表の後、「患者を支える会」代表のOさんから活動の内容説明がありました。活動の要はアロマトリートメント、植物から抽出した精油と呼ばれるオイルを使ってトリートメントをしながら患者さんのお話を伺っていること。アロマテラピーともいわれ、植物の「芳香療法」であり、その効用としては心を癒す穏やかな効用を持っている。フェノール系の殺菌力をほとんどの精油が含み、心の不安や恐怖を取り除き自然治癒力を高める。その他に精油の基礎知識、アロマオイルの種類の話など分かり易い内容でした。「患者を支える会」でのボランティア活動の意義、また活動内容がより一層深まったと思います。

続いての「デスカフェ」でも今回は、「患者を支える会」のスタッフが各グループに加わり、実際にトリートメントをしながら話し合うという形で行われました。

各グループでアロマトリートメントを介しながら話し合いが続けられ、参加者とスタッフ一同有意義な時間を過ごしました。

                                           (文責:Hiraga)

2019年 6月22日(土)14:00~16:00 会場: 麗澤大学1408教室

6月例会 体験発表及びデス・カフェ

「病気を通じて学んだこと」

山田真澄 氏  「慈悲の核心は介護と介抱と慰安である」
平井宏治 氏  「病気を受け入れて向き合い、そして生きる」

山田真澄氏  「慈悲の核心は介護と介抱と慰安である」

 当会の世話人でもある山田氏は、今回の体験発表に臨むにあたり、4か月に及んだ奥様の闘病中にとり続けたメモを素材に資料を作成して下さいました。お話の内容は、奥様との闘病生活が自身の死生観にどのような変化をもたらしたのかを中心に進められました。また、配布された資料には、奥様を支え共に病と向き合う状況の中で感じ考えた様々な事柄―心理的側面や経済的出費についても記載されていて、参加者からは大変参考になるとの声が多数ありました。長きにわたって廣池学園や当会で学ばれてきたこと、生きること、そして死んでいくことに真摯に向き合う姿が奥様との闘病生活から感じられました。

平井宏治氏  「病気を受け入れて向き合い、そして生きる」

当会の世話人でもある平井氏は、18年前に最愛の伴侶を亡くされて以来、大変に大きな喪失の苦しみを乗り越えられてきた方です。また、これまで健康であったにもかかわらず、奥様を亡くされた後、9回にもおよぶ癌や心筋梗塞による手術と入院をご経験され、病を抱えながら生きてこられました。死生観の変化について触れられる中で、大変印象深かったのは、生死について学んでいるころには、死生観は観念的であったが、奥様の死やご自身の苦しい病の実体験を通して、それはもはや観念的ではなく、実感的な死生観へと変わっていったというお話でした。奥様が旅立たれた後の、深い悲嘆に寄り添い支えた水野先生の存在を伺い、やはり、人は関係存在として存在し、その意味するところの大きさを感じました。

デス・カフェ  「大切な家族が、また自分自身が死に直面するような病気にあった時の私の経験と考え」

 4名が1グループとなって行われました。亡くなった家族について心に残る思い出や、そのことが与えた影響や学んだ事、あるいは自身の闘病をふりかえりながら、その体験を通しての気づき、家族に与えた影響などについて各々が話しました。日常生活の中で、こうした死生について話をする機会はそうそうありません。人生の土台となる死生観や生命観を語り合い、分かち合う中で、いろいろな視点を学ぶことができます。

(文責:shirasaki)

2019年 5月25日(土)14:00~16:00 会場: 麗澤大学1408教室

5月例会 講演会

「老いと死をユーモラスに語ろう」

 ―デーケン先生“ユーモアセンス”の継承―

講師 水野冶太郎氏(麗澤大学名誉教授、当会理事長)

 水野先生の久々の講演は、テーマ「老いと死をユーモラスに語ろう」に沿って進められました。人間学を通してのデーケン先生との出会いから、学んだこと、影響を受けたことなどを感謝の気持ちを込めて語られました。

 初めてお会いしたときに親近感を持たれたと言われ、特に「ユーモアの精神」と「物事を肯定的に見ること」をデーケン氏との係わりの中で深く感じ取ったという。

 氏のおおらかな性格、人間に対する深い尊敬心というものを強く感じ、人間の真実をユーモラスに語るユーモアセンスに於いては継承していきたいと思っている。

 また作家の柳田邦男氏もデーケン氏の幼少期の体験に触れ、その経験は何かを気づかせ意味を見出し、その後の生き方に影響を与えたと書かれている。水野先生も亡くなられたご自身の妹のことから気づかされたことが多く、今の自分に繋がっていると述べられた。

 その他、骨折をして一か月に渡り入院生活を余儀なくされたこと、その経験に向き合ったことで感じたこと、記憶に残っていること、その中で得たことを語られました。

 入院から得た教訓として、1認知症患者さんの苦悩。2自分よりももっと厳しい状況にある人を思いやるこころ。3喪うことは得ること。「どうしようもない状態」を向き合い、受け入れること、ユーモアセンスはそれを助けてくれることなど。

 続いて話の中でモリー先生※の言葉を拾い上げ「死に直面すればすべてが変わる。」「いかに死ぬことを学べば、いかに生きるかを学べる。」「悲しむことには癒しの力があります。あなたもその力を見つけてください。悲しいことに立ち向かって受け止めましょう。癒す力が湧いてきます。自分だけでなく、他者の癒しに繋がります。」とその言葉をかみ砕くことを問題提起された。宿題もその一つであり、私達に「自分にとって嫌なこと、辛いことがあったら、にもかかわらず、人間らしく笑うこと、笑顔でそれを受け止めてください。」

 最後にある雑誌のコラムを紹介され、皆さんも人生の終末期に入っている方も多い。家族に挨拶の言葉を遺しておきましょう。明日はないと思って今日中にありがとうという気持ちを伝えてください。と結ばれた。

 時折ユーモアを交えて話され、参加者の笑い声を誘う水野先生の姿から、デーケン先生が垣間見え、そのセンスを引き継いでおられるように感じました。

※『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム著の主人公モリー・シュワルツ先生。難病ALS(筋委縮性側索硬化症)に見舞われ人工呼吸器をつけず自然死を選んだ。(文責:Hiraga)

終わりに、当会顧問である島村トータル・ケア・クリニック 島村善行先生から、水野理事長の快気祝いとして、島村洗心苑で咲いたバラがプレゼントされました。サプライズとなり、大いに沸きました。


2019年3月30日(土)13:30~3月31日(日)16:00 会場:キャンパスプラザ会員会館

3月例会 講演会及び研修

「挑戦する“グリーフケア・ワークショップ」

両日とも50名以上の参加者が近郊を含め関西や東北からもありました。2日間の長時間にも関わらず、有意義かつ次の活動につながるものとなりました。

                      講師の皆さんで

         左から、木村氏、芦名氏、菅原氏、水野理事長、生田氏、滑川氏


まず始めに水野治太郎理事長からこの2日間の例会研修の趣意目的の説明がありました。

続いて、NPO法人仙台グリーフケア研究会理事長 滑川明男氏による『東日本大地震とグリーフケアの使命』のテーマでご講演いただきました。取り組まれているグリーフケア活動のご経験の中で色々と考察されてきたことや、震災後にこそグリーフケアが必要であるということからご本人のグリーフケアに対する信念を感じるお話でした。

次は同じテーマ『東日本大地震とグリーフケアの使命』で、2人のゲストスピーカーからお話をいただきました。

一人目は一般社団法人石巻グリーフサポート代表理事 木村直隆氏です。「パーラー山と田んぼが出来るまで~グリーフケアをもっと身近に~」という資料とビデオを使いお話をいただきました。震災での経験がご本人の人生観や人生そのものを180度変えさせ、その葛藤の中で多くの方のつながりや支えの中でグリーフケアに巡り合ったこと、またグリーフケア活動をもっと身近にしていきたいというお話は参加者の皆さんの心に迫るものがありました。

二人目は東松島子どもグリーフサポート代表理事 菅原節郎氏です。震災直後でご家族が安否不明という状況にも関わらず、地域の方へ支援の手を差し伸べ、その後に亡くなったご家族と対面されたという、私たちが想像もつかない、そして言葉に代えがたいご経験のお話はこみあげてくるものを制止するのに精いっぱいでした。

(懇親会の様子)

講師の皆さんにもご参加いただき、参加者から自己紹介や活動していることをお話いただきました。

2日目は早朝9:30から当会ではお馴染みの、臨床心理士・公認心理師の生田かおる氏より、『開かれた対話―オープンダイアローグ』と題し、講義とデモンストレーションをしていただきました。ご講義の内容を踏まえ、デモンストレーションで見せていただいたカウンセラーの役割は、クライエントの感情を引き出し、受け止めるというオープンダイアローグの奥深さを感じたものとなりました。

続いて最後の講師にはファシリテーターの芦名洋二郎氏を迎え『ファシリテーションの力~難病患者同士の“しゃべり場”作りの事例から考える~』と題し、講義とワークショップを織り交ぜながら進められました。講師のPDカフェの中で培われた新しいファシリテーションは、当会の痛みの分かち合いの会にとって、非常に有意義なものであり、クライエントにとっても安心安全が感じられ、自分の全てをさらけ出せるような手法であったと感じます。また講師はパーキンソン病の当事者でもあり、そのことについても考えることのできる機会となりました。

最後にまとめとして、水野理事長からお話をいただき、盛会のうちに終了いたしました。皆様のご支援ご協力誠にありがとうございました。


第8回通常社員総会

日時:2019年2月23日(土)14:00~16:00(受付13:30)

会場:麗澤大学1408教室(柏市光ヶ丘2-1-1)


司会より、本総会は定足数を満たしており、成立していることを宣言し、竹内啓二副理事長を議長に選任し議事に入りました。


【議事】

第1号議案 平成30年度事業報告及び決算(案)の件

第2号議案 平成31年度事業計画及び予算(案)の件

第3号議案 次期役員選任・世話人(案)の件

第4号議案 経理規程及び出納管理規程(案)の件


事務局からの説明に基づき竹内議長が、出席者の会員に議事ついて諮ったところ全ての議案は承認されました。


その後は議事録署名人2名を選任し、議事は終了。そして議長もその役を終えました。


【会員の皆様からのご意見、ご要望】

「生と死を考える」という会の名称について、一度見直しをしても良いのではないかというご意見をいただきました。


【新会員紹介】

新会員は会場にいなかったため、その氏名が読み上げられました。その代わりに初めて総会に参加した会員から、自己紹介をいただきました。


【理事長あいさつ】

看護師が患者のある行動について、一方的に叱責しているような状況をみて、どうして患者のその行動の背景を聞いてあげられないのだろう、そんなことがまだまだ多く見らる。病む人、死にゆく人に学ぶという姿勢が大切というお話。

また3年後に設立30周年を迎える。今後10年先を見据えて、次の世代に委員会をつくりで企画を練ってほしい。会の名称についても、世代交代についても言及されました。


【報告】

役員世話人(新役員・新世話人含む)が前にたち自己紹介をしました。


また竹内先生がこの3月で大学教授を退任されるにあたり、当会から花束を差し上げ拍手でお祝いをしました。


終了後に参加者で写真撮影をして散会となりました。


                     (文責・三井)




2019年 1月12日(土) 会場: 麗澤大学1408教室

月例講演会

「こころに寄り添う

      アロマケア」

                           看護師、AEAJ認定セラピスト・アロマインストラクター

                                                  新川  宏美氏

【プロフィール】

2005年にアロマセラピストの資格を取得し、訪問看護ステーションやデイサービス・脳外科クリニックでアロマケアを取り入れる。医療現場や介護現場でアロマケアを取り入れていく中でターミナル期の方へのアロマケアニーズが多いことを知り、2015年アロマボランティア「森の聲」を立ち上げ緩和ケア病棟での活動を始める。

【アロマセラピストになったきっかけは・・・】
 アロマセラピーとは植物より抽出した芳香成分(精油)を使用した療法。新川さんが現在の活動を行うようになったきっかけは、25年前にハーブに興味を持ち、ハーブの先生に「看護師なら現場で取り入れてみて!」とアドバイスをいただいたことからだったとのこと。その後アロマセラピストの資格を取得され、12,3年前から訪問看護の現場でアロマケアを開始。勉強中のとき、手技を習ったあとの復習の相手はご家族だったとか。ご自宅にはなんと精油抽出器があり、アロマエッセンスを作成できるそうですよ。
 当会の活動のひとつに「患者を支える会」という名称のボランティアグループがあります。アロマトリートメントをしながらお話を伺い、病院では患者さんとそのご家族、施設では利用者の方に寄り添う活動です。同じように 千葉市で活動団体を立ち上げ、アロマケアを取り入れた活動をなさっている新川さん。今回はボランティア「森の聲」の緩和ケア病棟での活動と終末期や難病の方へのアロマケアが多い訪問看護・看護小規模多機能居宅介護の活動を中心にお話くださいました。

 アロマをしながらの会話に大切な話が含まれる(SOS)場合があり、きちんとキャッチし、ケアマネや看護師にその都度報告をする「繋ぐ」役目が活動者にはあるとおっしゃいます。そういった積み重ねで訪問先との信頼関係を築いていらしたのではと思いました。

 休憩を挟んで、「心の残るエピソード」をいくつかご披露くださいました。
「こころに寄り添うアロマケア」とはまず関わる前の姿勢として、相手の気持ちを理解しようとする。相手が大切にしていることを自分も大切にする。そして相手を信頼し続ける。相手からの言葉「そうなんですよ」、アロマケアでのサイン「うなずき、表情、手足の温度、呼吸数、ウトウトする」は寄り添えている証拠とのことでした。
 細心の注意を払いながら目の前の人に集中して、丁寧にかつリラックスしながらアロマケアをなさるお姿が目に浮かぶような新川さんの心がけが伝わる講園会でした。                          (文責 matsunaga)


2018年 11月24日(土) 会場: キャンパスプラザ会員会館

メモリアルサービス(追悼音楽集会)    

メモリアルサービスは亡くなられた家族や親しかった方々を想い起こし追悼祈念する集会です。 

プログラム

1.追悼者の呼名及び礼拝

2. ごあいさつ

3. 大切な人を亡くして(3名による発表)

4. グリーフケア従事者認定者への認定証贈呈

5. 追悼の音楽

聖路加で出会った仲間たちによるコンサート

1) 始めに近年亡くなられた方のお名前を読み上げ、全員で黙とうをささげました。
2) 水野理事長のご挨拶
メモリアルサービスは、30年ほど前からアメリカで行われるようになり、当会にも伝わりました。音楽を用いて亡き人への礼拝・ご供養と残された人への激励を兼ねた行事であり、故人と深い繋がりのある方を追悼する意味もあります。この後、大切な方を亡くされた3人のお話があります。この機会に音楽を通して、故人への追悼とご自分の生の見直し、激励を魂で受け止めて頂けたらと願います。
3) 大切な人を亡くして…3名様による発表
A様…「一生チャレンジの精神」で波乱万丈の人生を歩んでこられたAさん。その人生は、ご家族のことを含め、起業家として様々な困難に遭われましたが、ご主人の病で家族の絆を再結成。ご主人亡きあと、ご自身も大きな病を乗り越え、現在は会社の代表として充実した人生を送られています。「乗り越えられない試練はない。すべてを信じてチャレンジしてください。」
B様…幼くして母親と死別、死ということを理解できず長い間苦しみ、もがきながら過ごされてきたが、母はいつもご自分の傍にいると感じている。このスピリチュアルな感覚があることで生きていく自信が持てたと言う。Bさんは「遺された人も悲しいけれど、亡き人も辛くて悲しいのです」「母に会いたいのでポジティブに生きている。泣きたいときは気のすむまで泣いてください。そして外に出て風の音を聞き、風のにおいを嗅いでください。亡くなられた方に声をかけて下さい」と強く語られました。
C様…わが子の命を授かり感動したのもつかの間、1年と数日で死別。病院での子育て中、わが子が生きているだけで嬉しくて自分の支えになったこと、多くの方に支えて頂いたことなど、亡くなるまでの辛い日々を話されました。「息子が生まれた意味をずっと考えていました」そしてあるとき、「神様に愛されて生まれてきたことが分かりました。命が長くても短くても健康とか病気とかも関係なく、人は愛されて生まれてくること。自分の命もそうして生まれてきたのだと・・・」 5年が経ち、少しずつ前を向き始めている、クリスチャンであることで救われていると言う。最後に聖書の言葉を述べられました。

4) グリーフケア従事者認定者への認定書授与
水野理事長から、グリーフケア従事者認定者に一人ずつ認定書が授与されました。今年度は、3名の方が認定書を授与しました。
来年は、さらに多くの方が認定されることを期待します。

5) 追悼の音楽  
「聖路加で出会った仲間たち」メンバー3人によるコンサートが行われました。
皆様が想い出にひたれるよう、またいろいろなことを思い描けるようなプログラムを選曲しました。
 お心に届きましたら幸いです。

「聖路加で出会った仲間たち」プロフィール

○ソプラノ…麻野 恵子 洗足音楽大学卒業マスタークラス修了、洗足音楽大学講師

○ヴァイオリン…西尾 ヨシ子 パリ高等音楽院卒業マスタークラス修了、洗足音楽大学講師

○ピアノ… 山本 緑 洗足音楽大学卒業、洗足音楽大学講師、聖路加国際病院コンサートコーディネーター

3人の共通点… 聖路加国際病院では「トイスラーホールお昼のコンサート」を、25年間にわたり演奏活動に従事、また日常では各々が別々に行動しています。

毎月静岡県御殿場市にある「神山復生病院(日本で初めてのハンセン病棟護施設)にて演奏を行っています。

                                                        <プログラム>

アリオーソ                             バッハ作曲

アヴェ・ヴェルム・コルプス                  モーツァルト作曲

コル・ニドライ                          ブルッフ作曲

くりやの歌                    平井多美子作詞、中田喜直作曲

Tsunami                              桑田佳祐作曲

ほしとたんぽぽ                  金子みすず作詞、中田喜直作曲

涙そうそう曲                             BEGIN 作曲

いのちの歌                      Miyabi作詞、村松崇継作曲

タイスの瞑想曲                            マスネー作曲

素晴らしい歌声と演奏を有難うございました。
コンサートの後、立食形式で懇親会が行われました。来賓の方々のご挨拶に続き、各グルーフの活動報告などで和やかに会は流れ、本年度のメモリアルサービスと懇親会は盛会にて終了いたしました。多くの皆様のご参加を頂きこころより感謝申し上げます。(文責:hiraga)


※我孫子聖仁会病院では、当会の「患者を支える会」メンバーが定期的にボランティア活動をしています。

2018年 10月13日(土) 月例講演会

「ホスピス緩和ケア病棟の

変遷、現状」 


我孫子聖仁会病院緩和ケア内科部長

野本 靖史氏

【プロフィール】のもと やすし 昭和60年 千葉大学医学部卒業。千葉大学病院、放射線医学総合研究所、千葉県がんセンター、船橋市立医療センターなどで、主として肺がんの治療、研究を行う。平成21年より緩和医療に力を注ぎ船橋市立医療センターおよび我孫子聖仁会病院2つの緩和ケア病棟立ち上げを行う。

「人間の死について考えたことはありますか?」
「がん終末期のパートナーが“自宅がいい”と言ったら介護をする自信はありますか?」
 秋の空のような青いスニーカーと青いYシャツ姿で登壇された野本先生は柔和な笑みを浮かべ、私達参加者に問いかけました。
 野本先生は、スライドを用いて「がん患者さんの歴史」「がん患者さんの希望」「緩和ケア病棟の現状と役割」など、今回のテーマに沿って私達参加者に分かり易く説明されました。
 緩和ケア病棟開設の現状については、表やグラフで丁寧に説明、東葛北部では、平成4年国立がんセンターを皮切りに、24年我孫子聖仁会病院、26年平和台病院、27年辻中病院柏の葉、東松戸病院、28年東葛病院、30年柏たなか病院と次々に緩和ケア病棟が開設、病床も増えてきていると述べられた。また「緩和ケアの場」は、病院だけでなく、住宅でも通院しながら得られると語った。
 また老々介護・認知介護。独居。住宅介護は限界があり、これからの問題点を指摘された。
 後半には、我孫子聖仁会病院緩和ケア病棟の体制と実績を語られ、ボランティア活動にも触れた。ボランティア活動は患者さん、ご家族の笑顔に繋がっている。
 病棟の写真では季節感溢れる手作りの装飾、中が見えないようにとベビー服で可愛く包まれた尿バックなど患者さんの不安を和らげる工夫を見せてくれました。
 先生の『“いい人生だった”と思って欲しい、そんな最後を迎えられるようお手伝いをしたい』という言葉から、緩和ケアを立ち上げられた熱意と使命感が感じられ、患者さんへの思いも十分に伝わってきた講演でした。 (文責 tokunaga)


2018年 9月12日(土) 月例講演会

「定命を経験して―生と死の縫合―」 

たまプラーザがん哲学外来カフェ代表

和田 眞氏

【プロフィール】わだ まこと 1946年千葉県生まれ。青山学院大学理工学部化学科卒。同修士課程修了。東京大学研究生、東京工業大学助手、米国バデュー大学、カリフォルニア工科大学博士研究員を経て、80年広島大学助手、同講師。88年徳島大学助教授、91年教授、2005年同総合科学部長、10年間同大学理事、副学長。12年3月同定年退職。現在、2大学で非常勤講師。学童保育支援員、月刊誌などに「教育」「生と死」について拙文を執筆。著書『定命 父の喪・母の喪 長男が遺してくれた生き直す力』 (和田厚子共著2019年文芸社)横浜市在住。

 和田氏は長年教職に就かれてきましたが、ご専門は、化学・有機化学。
 冒頭に「私は<死>に関して研究してきた人間ではないが、10年前、長男を30才で亡くし、そこから9年間グリーフワークをしてきました。生きること・死ぬことを考えながら生きてきました。」と話され、ご長男が病気を発症してから亡くなるまでの辛い日々を、一緒に過ごした楽しい思い出を交えながら語られた。
 そして、グリーフワークの中で生きる支えになった数〃の言葉を紹介された。

2016年に「定命 父の喪・母の喪―長男が遺してくれた生き直す力」を和田 眞・和田 厚子 ご夫妻で共著。定命(じょうみょう)…もって生まれた命。瀬戸内寂聴さんの講演から頂いた。

「花びらは散らない」を初め、葉祥明さんの「もう一度会える」、そのほか多くの心に留めた言葉が、画面に映し出されると、ご自身に言い聞かせるように読み上げられていました。多くの方が参加され、その中に暖かく見守る奥様の姿が見られました。
和田氏は、現在、学童保育支援員、たまプラーザがん哲学外来カフェの代表であり、それらをライフワークとして活躍されています。


2018年7月21日(土) 月例講演会

「インドの詩人―タゴールの死生観」

                   とうかつ生と死を考える会 副理事長

竹内 啓二氏

プロフィール】たけうち けいじ 麗澤大学経済学部教授・大学院国際経済研究科教授。哲学博士 (インド国立タゴール国際大学) NPO法人千葉県東葛無地区・生と死を考える会副理事長。公益財団法人モラロジー研究所人間学研究室教授。2002年に1年間、米国ジョージタウン大学ケネディ倫理研究所で客員研究員として医療倫理・生命倫理について研究。その間、米国のホスピスでボランティア活動をする。「死別の悲しみの癒し」「タゴールの死生観」「デス・エデュケーションについて」を執筆。「スピリチュアル・ケア」「ケアの倫理」「タゴールの思想」について研究。

タゴールの死生観
 1913年に西洋人以外で始めてノーベル文学賞を受賞したインドの詩人ロビンドロナト・タゴールの死生観を、彼の生涯や詩を通して紹介した。1902年、彼が41歳の時に、妻を亡くし、その数ヶ月後には、次女を、さらに、5年後には末の息子を亡くした。
 このような相継ぐ家族の死を経験したタゴールは、ノーベル文学賞の対象となった彼の詩集『ギタンジャリ』の中にも死をテーマにした詩を多く収録している。
タゴールによれば、この世に生まれたのも大いなる存在(神、宇宙自然の働き)によるものであり、この世を去るのもまた、大いなる存在の働きによるものである。
死にゆくことは、花嫁が花婿(死後に出会う絶対者)のもとに嫁ぐようなものであり、生涯漕いできた人生の舟の舵を大いなるものに手渡すことである。そこには、大いなる自然の働きに「ゆだねる」「従う」という心境が表現されている。
今回、彼の最晩年の状況と詩も紹介した。1937年、彼が76歳の時に、病で意識を失い48時間も昏睡状態がつづいた。その体験を一連の詩に書きとめた。死を身近に感じながらも、自分をケアする人たちの愛をいとおしむ詩を書いている。彼は「人の愛と、人の赦し」をたずさえて、小舟に乗って行くのだ、と安らかな心境で死を待つ。
絶筆となった詩には、次のような思想が表現されている。タゴールは、神と人との関係は、楽人と笛との関係のようだという。笛(人)は、楽人(神)に吹かれることによって、妙なる音楽が創造される。神と人は愛し愛されることによって、世界の創造を行う。音楽も美術も文学も、神と人との愛の表現である。神は、世界と人とを完全なものとしては創らなかった。様々な人生の悲しみ、苦難も、神のはからいである。そのはからいに翻弄されそうになりながらも、人生の最後には、神に導かれて真理を見出す。

生きていることの神秘や、死んで行くことの意味にかかわるスピリチュアルな次元が、タゴール独特の言葉を用いて表現されている。彼はこの詩を口述して後、手術を受けたが、1941年に80歳の生涯を閉じた。(文責:竹内啓二)

休憩をはさみ、後半の時間は、デスカフェを行いました。
どのグループも活発に話し合いが持たれ、有意義な時間を過ごしました。


2018年6月30日(土) 月例講演会

「子どものグリーフケアに向き合う遊びのボランティア」

―27年の歩みの中で―

      認定NPO法人病気の子ども支援ネット遊びのボランティア理事長

坂上 和子氏

【プロフィール】さかうえ かずこ 明治学院大学社会福祉学科卒・武蔵野大学大学院人間社会研究科実践福祉学専攻。保育園、障害児通所訓練施設、子ども家庭支援センターなどを経て現職。1991年にホランティアを解説。2012年、遊びのボランティア全国組織を立ち上げる。著書:『病院で子どもが輝いた日』斎藤淑子・坂上和子共著(あけび書房)『病気になってもいっぱい遊びたい』単著(あけび書房)。

 初めは保育士として働いていた坂上氏は、ある時 訪問保育士として病院に行くようになった。そこで病気のためとはいえ、長い間病院に閉じ込めれているような子供たちを目の当たりする。「子供たちを笑顔にしたい!」
 その思いで1991年ボランティアを立ち上げ、その後、現在のNPO法人に至っている。社会人入学で大学に、その後は大学院で学び、2012年NPO法人を全国組織にした。心に寄り添うボランティア活動をモットーに、日本の小児医療の底上げと社会全体で病気の子どもとその家族を支えていこうと奔走している。これまで辛い経験や困難に直面しながらも、自分の進むべき道をひたすら邁進する坂上氏に圧倒された。
 後半は、一才のお子さんを病気で亡くされた方が、体験を涙ながら話された。悲しみの中で自分に何ができるか考え、遊びのボランティアとして活動している。
 当日、坂上氏はたくさんの手作りの絵本、おもちゃ、ぬいぐるみを持って来られた。それらを使って私たちも歌と手遊びを楽しんだ。皆さんの顔に笑顔か溢れた。   (文責: ota)


2018年5月26日(土) 月例講演会

「人間と福祉」

星野悦次氏

【プロフィール】ほしのえつじ:中年期に思い切って介護職員に転職し、現場第一線の経験を積む。定例会ではその経験をお伝えして、認知症の理解とその介護方法についてお話したい。介護福祉士。認知症対応型グループホーム管理者。

三井 正行氏 (当会会員)

【プロフィール】みついまさゆき:1974年生まれ。京都府出身柏市南柏在住。柏市内の身体障害者通所施設に19年間勤務。現場の主任から施設長まで務め、平成29年6月退職。現在、とうかつ生と死を考える会の事務局、アップリング社員、柏市教育委員会スクールソーシャルワーカーとして勤務。社会福祉士。

介護に向かい合って―後期高齢者と認知症―』
 私たち夫婦の二男は、ダウン症で生まれてきました。最初の頃、私はこの子が目の前にいると苦しく、「やめてくれ、いなくなってくれ」と心の中で葛藤が続き、仕事に逃げていました。当時を振り返ると本当に申し訳なく、この子がいたから福祉の道を選んだのだなと思っています。
 現在、私が管理しているグループホームには50代から96歳の方までおられます。私は携帯をいつも2つ持ち歩きますが、「いのちを守る」大事な電話です。夜中でも電話が鳴ったらいつでもすぐに出るようにしています。
 今日、認知症に関しては国家ぐるみで取り組んいるので、取り組み方の原理・原則とか、データはパソコンで簡単に入手できます。また、分からないことは何でも、市の「高齢者なんでも相談室」「地域包括支援センター」に問い合わせることができます。ともかく、最初の気づきが大事です。おかしいと思った時には「地域包括支援センター」に相談してみる。発見・搬送が早いと、大事に至るのを未然に防ぐことができます。
 認知症のグループホーム、ホスピス病棟のガン患者や難病については、実際に見学に行って空気を感じ、自分の目で確かめることが大事です。見学希望があれば、事務局に言っていただければ対応します。大人数で覗き込むという見学は迷惑ですから、5~6名で何組か分けるのがよいと思います。認知症がどんどん進んでくると、介護する家族の心の痛みが伝わってきます。私たちが見捨てたらどうなるのかということがよく分かりますから、私はどんな時にも、①逃げない、②諦めない、③見捨てない、を目標にしています。私が見捨てたらどうなるのか、ということが分かりますから、自分の心に言い聞かせながら、今、やらせてもらっています。
 何か自分で目標を決めないと、ストレスがたまってきます。時には「嫌だなあ!」と思い、逃げたくなる感情がこみ上げてくることもあります。一緒に働いているワーカーさんたちに弱気な思いをさせてはいけないので、何を考え、何を目標にしているかをしっかりと自覚し、場作りから始めています。強い力と勇気を出して、体の不自由な方たちに寄り添い、慰安したい、ということを目標にしています。(文責:yamada)

『障害福祉の最前線から学んだこと』
 当NPOの事務局の他、2つの仕事も務める三井です。以前は身体障害者の通所施設に19年間勤めていました。今回はその仕事から学んだことを発表させていただきます。
 まず始めは障害の捉え方について、「世界で一番普及している補装具は?」という問いから始めます。補装具とは体の失われた機能をカバーする道具。その答えはというと「メガネ」。もし災害等でメガネが壊れて、手に入らなくなったら、近くや遠くが見えなくなり、生活に大きな影響がでてきます。ということは、多くの人が障害者かもしれないし、もしかしたら失われた機能がカバーできれば障害者でなくなるのでないか。障害はあるけれど、障害者でなくなるかもという問い。障害者と私たちとは実はできるできないの程度が大きいか小さいかだけであまり変わりはないのでは。
 そして障害の理由とその状態を知ることは、偏見をなくす第一歩という観点で、ぜひ皆さんに知っておいてほしい。簡単にいうとその理由の多くは脳がなんらかの原因でダメージを受けて、それが後遺症となり回復しない状態。低体重、未熟児によくみられる低酸素脳症などが原因。脳には運動機能、認知機能があるので、そのダメージを受けた箇所によって体の機能(認知部分も含め)に出てくるということである。交通事故やスポーツ事故、遊びなどでも脳を強く打ち付けるとダメージをうけ、運動や認知に影響してくる。つまり誰でも、今日障害をもつかもしれないのです。他人事ではないのです。
また現場で働く職員としては、スキルとして、想像力、観察力、洞察力、先読み力に加え、障害者の状況により、対応を変えるなど、より良い支援をする方法があると考える。
 その他には福祉の教育的機能ととして、教職を取っている学生たちが福祉施設で実習する「介護等体験実習」、小中学生の「総合学習」を通しての効果-児童生徒、学生の人間観の変化などを感じている。
 最後に施設に通所していた、26歳で亡くなった筋ジストロフィーの若者について、だんだんと体が動かなくなっていく状況と、そういう状態の彼との関係の中で多くを学んだ。「何か大きなことをするよりも、毎日の些細な行為が大切で愛おしい」ということに気づかされた。
 「障害があろうがなかろうが、人としてはみな同じで、かけがえのない存在である」と伝えたい。(文責:mitsui) 


2018年4月21日(土) 月例講演会

「こころの終活に向けて」

『夫の看病で学んだこと』


【発表者プロフィール】Y.Hさん: 夫が平成22 年体調不良を訴えるがどこの病院も「異常なし」の診断。平成24 年パーキンソン症候群と判明し、本格的に在宅介護がスタート。平成28 年特養ホームに入所。現在は食事介助やボランティアでホームに通うのを日課としています。


 プロフィールでご紹介のように、Hさんはご主人がパーキンソン症候群という難病になり、約7年間ご自宅で看病を続けてきました。なかなか病名が分からず不安な時期を過ごされたこと、転倒防止のため常に見守りが必要なこと、また、病状が進んでいく中、逃げ出したくなったこともあったと、当時の心の葛藤などを話されました。 
 現在は、近くの特養ホームに入居でき、ひんぱんに足を運び、ご主人の様子を見ているそうです。最期までご自宅でという思いが強く施設には抵抗があったが、気持ちは変わっていくものと言うことに気づき、何もこだわらなくても良い、今できることを精いっぱいしていこうと切り替えられた。それには水野先生からの「病気はプロに任せて、あなたしか出来ないことをさせていただきなさい。」という言葉に強く後押しされたという。 施設ではボランティアもされていて、介助を通して高齢者から多くを学んでいるそうです。
 Hさんは、結果的に気持ちに余裕が出来、こうして皆様にお話させていただいている。話すことで気持ちの整理もついたといい、同じように介護、看護をしている方に何らかのお役にたてればと思っている。 月に一度家族が集まり、ご主人を迎えて食事会をしていることも話されました。
 「孫を含め家族の絆が、強まった。私が支えていると思っていたが、私の方が夫に支えられている。」と語るHさんの顔は、聖母のように輝いていました。
 これからも大変なことがあると思いますが、ご夫婦にとって穏やかな日々が続きますよう祈らずにはいられません。 (文責: hiraga)

『老いてもなお生きる』

【講師プロフィール】水野冶太郎氏:麗澤大学名誉教授、「生と死を考える会」全国協議会副会長。平成28 年 秋の叙勲で瑞宝中綬章を授与される。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。米国レッドランズ大学ジョンストン・カレッジ心理学研究科客員研究員。東京女子医科大学大学院看護学研究科および上智大学で「人間学」「臨床人間学」を教えてきた。現在は麗澤大学オープンカレッジ、上智大学グリーフケア研究所等で授業担当中 。


 休憩を挟み、『老いてもなお生きる』-こころの終活:スピリチュアリティの育成と題し、当会の水野治太郎理事長による講演が行われました。 水野理事長はご自分の怪我の体験から、バリアフリーの建物でも、車椅子の利用者にとって便利であっても、杖を使う人にとってはつかまるところがなく危険なところもあることを例にあげ、新たな視点で考えていく必要があることを語られました。
 また、サミュエル・ウルマン 青春の詩―こころの老いを紹介され、若いときにこの詩に触れたときは、老いを受け入れていない詩だと感じていたが、あらためて読むと感じ方が変わり、この詩がスピリチュアリティについて語り、老いても生き続けることに向き合う内容であることに気がついたと話されました。理事長のお話しから、常に学ばせてもらうという謙虚な心で物事を見ることの大切さを教えていただきました。
 ご自分の入院体験時に感じたスピリチュアルなこころの働きを感じ取り、こころを動かされたご体験、書家のお義父さまが霊的な思いを書に託し、生き抜かれた姿から学ばれたことを話され、盛りだくさんの内容となりました。
 その後、デスカフェを1グループ5から6人に分かれ行い、今回の体験談や講演の感想、や、自分の老いや死について語り合い、会を閉会しました。 (文責: handa)


2018年3月24日(土) 月例講演会

      「生と死をめぐる苦悩とケア」

                     相模女子大学人間社会学部教授

浮ケ谷 幸代 氏

【プロフィール】うきがや さちよ 群馬県に生まれる。1975年富山大学薬学部卒業。1997年埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(文学博士)。2000年千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。2001年博士(学術)。2003年から千葉大学他非常勤講師を務めた後、2009年から現職。現在、国立民族学博物館共同研究での「老いと看取りの死」、「精神医療と宗教との連携」、「障がい者アートをめぐるケア」など、各種研究プロジェクトに取り組む。また<カフェデモンクえりも>活動や<サンンタプロジェクト・さがみはら>活動などに参加。専攻は医療人類学・文化人類学研究対象:慢性病(糖尿病)、精神障がい、老い、見とり、死、医療・福祉・宗教の専門家など著書:『病気だけど病気ではない』(2004)、『現代医療の民族誌』(共編著、2007)、『ケアと共同性の人類学』(2009)、『身体と境界の人類学』(2010)、『苦悩することの希望―専門家のサファリングは創造性の源泉になりうるか?』(共編著、2015)など

***講師からのメッセージ***
 皆さんは「人生の最後をどこで だれと どのように迎えたいですか?」と問われたら、どのように答えますか?
 今、日本だけでなく世界中がこの問いに向き合わなくてはならない状況にあり、これまで当たり前とされてきた[死」の迎え方が問われています。
 欧米では、暮らしの場で「死」を話題にする「デスカフェ」と呼ばれる場が広がりつつあり、現代の死生観の新たな局面が現れているようです。
 人間であればだれもが経験する、病い、障がい、老い、死をめぐる苦悩の意味を通して、老いと死から生きることの意味を皆さんとともに考えてみたいと思います。
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浮ケ谷氏のご専門は、医療人類学・文化人類学。
初めに、薬学部を卒業してから文化人類学に辿り着くまでのいきさつなどを語られた。また人類学は、日常の暮らしの中から見ていくこと、ここ10年でケアを取り上げていく必要性があると述べられた。
<講演内容>
1) 老いや死をどうとらえるか? 医療人類学の視点での苦悩とケア (苦悩は、英語でサファリングSufferingという、患うこととも訳される)
 苦悩は自分から求めるものではなく、どこかで困難・苦境にぶつかり何らかの形で経験する。苦悩は当たり前に生きるから生じる人間の根源的な存在様式であり、向き合うことで何かが生まれる。
2) 死をめぐる苦悩とケア「看取り文化」研究から3つの視点がある…1.死の他者性 2.死の場所性 3.死の継承性
 94才の義母を自宅で看取られた話を交えて解説。義母の死にざまを見て自分(一人称)の死を考えた。
 人類学的に他者の死をどう理解し、一人称の死をどう見ていくか、どう継承していったら良いのか。
 場所性では、地域ケアが大事である。(地域・家は、その人の歴史、想い出が刻まれている。)
3) 生と死を育むために…一緒に考えましょう。
 死にゆく人から何を引き継ぎますか。
 人生の最期をどこでどのように迎えますか。
 自分が死ぬときに、下の世代に何を渡していきたいか。
 皆で考えましょう。普段から死生観を語る「デスカフェ」の普及が望まれています。
 まとめとして「いのちの教育として看取りが一番。子どもでも看取ることで死を必然的に学ぶことが出来る。『人がそこにいるということ』それがケア。ケアされている立場でも誰かをケアしている。」と結ばれました。「文化人類学」の視点―文化から見た貴重なお話を伺いました。
 たくさんの方々が参加され、熱心にお聞きしていました。当会の「患者を支える会」「グリーフケア」に携わる会員も多く参加、地域ケアに関わっていることから共感を覚えた方も多いでしょう。さらなる活動に向けての力になることを願います。(文責: hiraga)


2018年1月6日(土) 月例講演会

    「スピリチュアルケア入門―臨床宗教師の視点から」
                     谷山 洋三 氏

【プロフィール】たにやま ようぞう 1972年生まれ、東北大学文学部卒業、東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学) 長岡西病院ビハーラ病棟ビハーラ僧、四天王寺大学準教授、上智大学グリーフケア研究所主任研究員などを経て現在東北大学大学院文学研究科准教授。専門は臨床死生学。

著書:『医療者と宗教者のためのスピリチュアルケア―臨床宗教師の視点から』『スピリチュアルケア』『スピリチュアルケアを語る…ホスピス、ビハーラの臨床から』(谷山洋三・伊藤高章・窪寺利之)

お正月明け早々に谷山先生の講演でした。谷山先生は冒頭に「みなさん平均からすると少しずれている。でも、誇りに思ってもらいたい。大事なことです」との、驚かされる言葉から始まりました。
 その心は、「一般の人には、スピリチュアルケアに関心を持つ人がまだ少

ないのに、お正月早々関心ををもって集まったことを誇りにしてもらいたい」のことでした。
講演はレジメに従って、1.スピリチュアルケアとは? 2.感情に焦点を当てたスピリチュアルケア 3.臨床宗教師とは?4.こころのお手入れ としてのお話でした。 
 「スピリチュアルケア」は、ホスピスの導入に伴い入ってきた言葉で、緩和ケアと対で考えられているが、色々の場面で必要とされる「よろず相談」的な、もっと広い概念である。また、特別なものでなく、人を大事にすることであるとのこと。
 臨床宗教師とは? では、欧米のチャプレンを日本の宗教観に合わせて、寄り添うことに重点を置いて、時には宗教的資源をも活用するもので、在宅緩和ケアをしておられた故岡部健医師の思いが具現化したものとのことでした。
 そして、こころのお手入れとして、長く活動するためにはストレスを溜めないこと、家庭に持ち帰らないで現場に(気持ちを)置いて帰ることが大切と。具体的にはルーティーンという儀式を利用したり、スピリリチュアルグッズを利用して、集中力を高めたり、気持ちの整理をつける方法も紹介されました。
 終わりにいくつかの質問にも丁寧に答えていただきまました。 (文責: minato)